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1.相続が発生した場合の一連の手続きについて教えてください
被相続人の死亡から
7日以内        死亡届での提出
3か月以内     税理士への依頼、遺言書・相続人の確認、相続放棄・限定承認の申術
4か月以内    所得税、消費税の準確定申告と納税
10か月以内   遺産分割協議書の作成  相続税の申告と納税
2.市区町村への届け出にはどのようなものがあるのでしょうか?
【被相続人の死亡から14日以内】
   住民票の世帯主変更届出
   資格喪失届・保険証返却(国民健康保険・後期高齢者医療保険に入っていた人)
   資格喪失届・保険証返却(介護保険の保険証の交付を受けていた人)
   死亡届と関連手続き(国民年金を受けていた人)
   年金資格喪失届と関連手続(国民年金に加入していた人)

【すみやかに】
   身体障害者手帳の返却と関連手続き(手帳を持っていた人)
   受給事由消滅届(児童手当を受けていた人)
   犬の登録変更届(犬を飼っていた人)
3.法定相続分とはなんでしょうか?
誰にどのような割合で遺産を相続するかは、まず故人の遺志が尊重され、遺言が優先されます。ただし遺言がない場合は、民法で相続割合を定めており、これを法定相続分と言います。

【子供のみであるとき】
  子供が全て相続します。

【配偶者(妻あるいは夫)と子供が相続人のとき】
  配偶者が2分の1、子供は残りの2分の1の財産を相続します。子供は人数によって、均等に分けることになります。例えば、妻と子供2人の場合、妻2分の1、子供2人は4分の1ずつとなります。子供が死亡している場合は、代襲相続となり、孫、さらにひ孫がその子供の権利分をそのまま引き継ぐこととなります。

【配偶者と故人の父母が相続人の時(相続人である子供がいない場合)】
  配偶者が3分の2、父母が3分の1で相続します。父母が2人の場合、均分して6分の1ずつの割合の相続になります。

【配偶者と故人の兄弟姉妹が相続人の時(相続人である子供と父母がいない場合)】
  配偶者の相続分がさらに大きくなって4分の3、故人の兄弟姉妹が4分の1となります。


上記の他、養子がいる場合、非嫡出子がいる場合など一定の取り決めがあります。
4.相続するかしないかは、選択できるのでしょうか?
相続人はプラスの財産だけではなく、マイナスの財産(借金など)も相続します。このときプラスの財産がマイナスの財産を上まっていればいいのですが、マイナスの財産の方が多い場合があります。そこで、相続人には相続する・相続しないについて選択することができます。つまり、相続人は3か月以内に、相続をそのまま受けるか(単純承認)、すべてを放棄するか(相続放棄)、その他の相続を限定する方法をとるか(限定承認)を選ぶことができます。
なお、相続放棄や限定承認を行わず、何もしなければ、自動的に単純承認となります。
5.相続税は相続が発生したら必ずかかるものでしょうか?
亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合は、相続税の課税対象となります。

【相続税の対象となる課税遺産総額の計算】
  ① 相続や遺産によって取得した財産(遺産総額)の価額と、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を合計します。
  ② ①から債務、葬式費用、非課税財産を差し引いて、遺産額を算出します。
  ③ 遺産総額に相続開始前3年以内の暦年課税に係る贈与財産の価額を加算して、正味の遺産額を算出します。
  ④ ③の正味の遺産額が基礎控除額を超えない場合には、相続税はかかりません。
6.基礎控除額の計算方法を教えてください
【基礎控除額】
  5000万円+1000万円×法定相続人の数

  ただし、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税については、以下の通りとなります。
 
  3000万円+600万円×法定相続人の数


【法定相続人の数】
  相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合におけるその相続人の数をいいます

【養子の数】
  被相続人に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなります。
7.相続税はどのように算出するのでしょうか?
相続税の算出は一般的に次のような順序で行います。

①各人の課税価格の計算
  課税価格=相続財産の価格-非課税財産-債務葬式費用+相続開始前3年以内の贈与財産

②課税遺産総額の計算
  課税遺産総額=課税価格の合計-基礎控除控除額

③相続税総額の計算
  相続税の速算表を使って算出します。

平成26年12月31日以前
法定相続分に 税率 控除額
応じた所得額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円


平成27年1月1日以後
法定相続分に 税率 控除額
応じた所得額
1,000万円以下 10% -
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4.200万円
6億円超 55% 7,200万円
    

④各人の相続総額の計算
  各人の相続税額=相続税総額×各人の遺産の取分(課税価格)/遺産総額(課税価格)

⑤各人の納付総額の計算
  各人の相続税額に加算額や控除額を調整して算出します。

8.各人の相続税額に調整を加える加算や控除にはどのようなものがあるのでしょうか?
【相続税額の加算】
  被相続人の兄弟や代襲相続人ではない被相続人の孫、全くの第3者などが、相続・遺贈により財産を取得した場合は20%の税額を加算いたします。

【配偶者に対する相続税額の軽減】
  配偶者は、法定相続分又は1億6000万円以下の財産の取得であれば、税金はかかりません。

【未成年者控除】
  20歳未満の法定相続人がいる場合は税額から次の金額が控除されます。
  6万円×(20歳-相続開始時の年齢)
  ただし、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税については、以下の通りとなります。
  10万円×(20歳-相続開始時の年齢)

【障害者控除】
  障害者である法定相続人がいる場合は、税額から次の金額が控除されます。
  6万円(特別障害者は12万円)×(70歳-開始時の年齢)
  ただし、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税については、以下の通りとなります。
  10万円(特別障害者は20万円)×(85歳-開始時の年齢)


【贈与税額控除】
  相続財産に加算された贈与財産に対する贈与税や相続時精算課税の際の贈与税はその税額から控除します。

【相次相続控除】
  10年以内に続けて相続があると、2回目の相続(第2次相続といいます)では1回目に支払った金額の一部を控除します。

【外国税額控除】
  海外で支払った日本の相続税に相当する税金を支払った場合には、外国で支払った税金分を日本の税金から差し引くことができます。
9.海外にある財産にも相続税は課せられるのでしょうか?
被相続人の相続開始時点の住所が日本にあるかないかで以下のように分けられます。
   (1) 被相続人が相続開始時点で日本国内に居住している場合
     財産の所在が国内か国外かを問わず日本の相続税が課税されます。
         平成24年3月31日までは日本に居住する被相続人から相続開始時点から5年超継続して国外に居住する外国籍の相続人へ相
         続させた場合は、相続税は課税されませんでしたが、平成25年4月1日以降は課税されるようになりました。
      (2) 被相続人が相続開始時点で日本に住所を有しない場合
         被相続人及び相続人ともに相続開始時点から遡って5年以内に住所がない場合と、被相続人及び相続人が相続開始時点に
         日本に住所がなく、かつ、相続人が外国籍である場合は相続税が課税されません。

国外にある財産の納税義務は、以下の表のようにまとめられます。
 
  相続人
被相続人     日本に住所
日本に なし
住所あり 日本国籍あり 外国籍
  5年以内 5年超
  住所あり 住所なし
国内に住所あり
国内住所なし ×
5年以内住所あり
5年超住所なし × ×
10.海外にある不動産はどのように評価したらよいのでしょうか?
原則的として、時価で評価します。具体的には、現地の専門家による不動産鑑定評価額や近隣不動産の売買実例価額から算定します。
11.配偶者がなくなったときは税金がほとんどかからないと聞きましたが、どのような制度でしょうか?
配偶者は相続を受けても配偶者控除という税金が免除される制度があります。具体的には、配偶者は実際に相続した遺産の総額が、法定相続分以内であるか、または仮に超えて相続しても1億6千万円までは税金がかかりません。
12.相続税の申告と納税の期限はいつでしょうか?
【申告期限】
  相続人は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10カ月以内に、被相続人の住所地所轄税務署に申告・納税する必要があります。

【延納の制度】
  相続税額が10万円を超え、かつ納期限(納付すべき日)までに金銭で納付することが困難とする事由があるときは、申請により年賦払いによる方法で納めることができます。この場合には、利子税がかかるほか、原則として担保が必要です。

【物納の制度】
  延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があるときは、相続した一定の財産で納めることができます。

【被相続人の所得税・消費税】
  所得税・消費税の申告すべき方が年の途中でなくなった場合は、相続人はその全員の連名により、被相続人が死亡した日の翌日から4カ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に確定申告をします。これを準確定申告と言います。
13.遺産分割にはどのような方法があるのでしょうか?
遺産分割には次のような方法があります。
(1)現物分割
  遺産をそのまま現物で、相続人ごとに分ける方法。もっとも一般的な方法です。
(2)代償分割
  相続人の一人が、遺産を取得する代わりに、他の相続人には金銭その他の財産を与える分割方法です。
(3)換価分割
  もらった財産を売却してお金に換え、そのお金を相続人同士で分ける分割方法です。
(4)共有分割
  一つの遺産を、2人以上の相続人の共有持分で所有する分割方法です。

なお、遺産分割についての期限はありませんが、相続税の申告期限までに遺産が分割されていないと、相続税を計算する際に相続人に不利になるケースが多いため、早めに分割することが大切です。
14.遺言書にはどのような種類があるのでしょうか?
遺言書には、一般的に次の3種類があります。
(1)自筆証書遺言
  全文、日付、氏名を自書し、押印するものです。そのため、ワープロ打ちや録音は不可です。
(2)公正証書遺言
  公証役場の公証人のもとで行う遺言です。公証人と証人2人を前に、遺言者の口述筆記で作成されます。その後遺言者に読んで聞かせ、間違いがなければ遺言者、証人2人が実印を押します。もっとも確実な方法です。
(3)秘密証書遺言
  封書で行う遺言で、公証人、証人2人等は公正証書遺言と同じですが、封書なので遺言の内容が証人等も含めて、他人には知られません。しかし、書式や内容面で不備があると無効になるリスクがあります。
15. 遺言書が見つかったときはどのように取り扱えばいいのでしょうか?
死後に遺言書を発見した場合は、家庭裁判所にすみやかに提出し、検認を受けなくてはなりません。封印のある場合はすぐに開けずに、やはり家庭裁判所で他の相続人や代理人の立会いのもと、開封します。これを怠ると、5万円以下の過料に処せられます。もし、遺言書を隠したり、勝手に内容を書き換えるなどすると、相続人の資格も失ってしまいます。
16. 父の遺言書には、長男に全財産を相続させると書いてありましたが、妻である私はその一部でも相続することはできないのでしょうか?
遺留分制度がありますので、相続人である奥様も一定の割合で遺産を確保できます。遺留分制度とは、遺産のうち一定割合を法律的に取得できることを認めた制度です。遺留分は兄弟姉妹には認められていないので、遺留分権者は兄弟姉妹以外の相続人となります。遺留分は下記のように計算します。

各相続人の遺留分=遺留分の割合×法定相続分
※遺留分の割合

配偶者、子または孫…2分の1
父母、祖父母…3分の1
17.どのような場合に遺言は書いたらいいのでしょうか?
基本的に次のことを決めておきたいときは、遺言書を書いた方がいいです。
(1)遺産分割でもめないようにしたい
(2)相続権のない孫や兄弟、世話をしてくれた人に遺贈したい
(3)内縁の妻や認知した子供がいる
(4)財産の一部を公益事業に寄付したい
18. 加入していた健康保険や厚生年金から遺族にはなにかもらえないのでしょうか?
亡くなった方がサラリーマンか自営業者か、あるいはその家族なのかで支給されるものの内容と手続きが異なります。

【サラリーマン等の場合】
①健康保険…埋葬料(一律5万円)
②厚生年金保険…遺族厚生年金
③労災保険…葬祭料、遺族補償年金、遺族補償一時金

【自営業者の場合】
①国民健康保険…葬祭費、遺族基礎年金、寡婦年金
②国民年金…遺族基礎年金、死亡一時金
それぞれの行政の窓口や社会保険労務士などの専門家に相談することをお勧めします。
19. 相続税の申告は税理士さんに依頼するべきでしょうか?
申告を自分ですることは可能ですが、相続税の申告書の記入の仕方、税額の計算、財産評価など様々な専門知識が必要です。このため、税理士以外の方が申告を行うと誤った申告する可能性が高くなり、余分に税金を支払ったり、少なく税金を払ったりすることでペナルティが課せられることもあります。このため専門家である税理士へ申告することを強くお勧めいたします。
なお、他人の申告を税理士以外の者が行うと税理士法違反となり罰せられます。
20.相続時精算課税とはどのような制度でしょうか?
贈与を受けたときに贈与財産に対する贈与税を支払い、贈与者が亡くなったときにその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に相続税額を計算し、既に支払った贈与税額を控除する制度です。相続時精算課税は次の要件に該当する場合に贈与者が異なるごとに選択することができます。
なお、一度この相続時精算課税を選択すると、その後、同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」へ変更することができません。

【要件】
①対象者等
  ・贈与者(贈与をする人)は65歳以上である親
ただし、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税から60歳以上に引き下げられます。
  ・受贈者(贈与を受ける人)は20歳以上の贈与者の推定相続人である子(子が亡くなっているときは20歳以上の孫)
  ※年齢は贈与の年の1月1日現在のもの
ただし、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税から、子が亡くなっていない場合も20歳以上である孫が受贈者となります。
②手続き
  この制度を選択しようとする受贈者は、贈与税の申告期間内に相続時精算課税届出書を贈与税の申告書に添付して税務署へ提出しなければなりません。なお、相続時精算課税選択届出書には、受贈者の戸籍の謄本または抄本、受贈者の戸籍の附票の写し、贈与者の住民票または戸籍の附票の写しなど一定の書類を添付して提出します。
③計算方法
  相続時精算課税を選択した贈与者ごとに、1年間(1月1日・2月31日)に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から特別控除額2500万円(前年以前にこの特別控除額を適用した金額がある場合は、その金額を控除した残額)を控除した残額に20%の税率を掛けた金額の合計額が贈与税額となります。

【住宅取得資金の贈与の特例】
贈与者(父母や祖父母など)から住宅取得等のための金銭の贈与を受けた場合には、一定の要件を満たせば贈与税が非課税になります。住宅取得等資金の贈与に限り、贈与者(父母)が65歳未満であっても暦年課税か相続時精算課税を選択することができます。ただし現行制度では祖父母や曾祖父母からの贈与の場合は暦年贈与のみとなります。(平成27年1月1日以後の贈与からは、上記①記載の通り制度が変更になります。)

非課税限度額は、下記の表の通りとなります。
区分 非課税限度額
一般 東日本大震災の被災者
省エネルギー性能・耐震性能を備えた良質な住宅 平成24年 1,500万円 1500万円
平成25年 1,200万円
平成26年 1,000万円
その他の住宅 平成24年 1,000万円 1000万円
平成25年 700万円
平成26年 500万円

 祖父母と父母の両方から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、贈与を受けた金額を合計し、そのうち上記の金額までを非課税とすることができます。つまり、贈与者ごとに上記の金額が非課税となるわけではなく、受贈者1人について上記の金額が非課税の限度額となっています。  
21. 贈与税の税率を教えて下さい。
相続時精算課税の対象とならない贈与税の税率は、以下の表の通りです。平成27年1月1日以降の贈与は最高税率が50%から55%に引き上げられる一方、20歳以上の子や孫が父母や祖父母から受ける贈与については、一般の贈与に比べて適用税率が緩和されます。

<現行>



<平成27年1月1日以後>
22. 海外移住者が移住先で死亡した場合は、相続税が課税されますか?
相続財産が国内にある場合は、被相続人の住所や国籍を問わず相続税が課税されます。このため海外移住者が移住先で死亡し、相続人が日本にある財産を相続した場合は、相続税が課税されます。